11 / 1053
第1話の11
「ここ、バスタブ広くていいよねえ…」
と言いながら、諒が直接手で、丁寧に体を洗ってくれる。
「はい、完了。髪は明日、家で洗おうね。麻也さん、先にベッドに入ってて。」
とは言われたものの、今夜は寝てはいられないので、麻也は眠気覚ましに、
バスローブのままソファに座ってミネラルウォーターを飲んでいた。
「あれ、麻也さん…」
後から出てきた諒には驚かれたが、それも織り込み済みだ。
「力尽きちゃって…ベッドにたどり着けなかった…」
「なあんだ、そっか…」
笑顔で諒もミネラルウォーターを飲むと、麻也の腰を抱いて、またベッドに連れていってくれた。
いつも通り、二人とも全裸でベッドに入ると、おやすみなさいのキスをして、手をつないで寝に入る…
麻也は眠ってしまわないように、いつも通り万が一の災害時のためにつけたドア周りの明かりの方を見つめていた…
そのうち、諒の規則正しい寝息が聞こえてきた。
それが安定するのを待って、麻也はそっと、握られた手をほどいたが、諒の手は握りしめてくる。
何度かそれを繰り返し、諒の手が反応しなくなったところで、麻也はそっとベッドを抜け出した。
ともだちにシェアしよう!