958 / 1053
第17章の64(←終了?諒の秘密の恋)
しかし、そのあたりは麻也も心得たもので、メールの主の名前をを読み上げていく。
「えーっと、おふくろでしょ、恭一、久保田くん、三田さん、須藤さん? 」
これが最優先だろうと麻也は、須藤からのメールを声に出して読み始めた。
「急ですが、三浦くんが辞めることになりましたので、
今日からは小野くんの知り合いの新人君がSPになります…」
突然出てきた三浦の名前にドキっとして、
麻也に何か感づかれなかったかと諒はヒヤヒヤした…
「…詳しくは後ほど、だって。俺、何か嫌われることしたかなあ…」
「そ、そんなことないんじゃない。突然旅に出ることになったとか…」
(麻也さんが、俺のイビリを思い出しませんように…)
麻也から体を離すわけにもいかない諒は祈るような気持ちだった…
…今日の現場は麻也と二人で撮影とインタビューだった…
二人ともすっかり忘れていて、同じ場所に出発することがわかった時は大笑いだった…
待ち合わせ場所に手をつないで歩いてきた二人を見て、
須藤は大笑いしていたが、諒には言葉もない。
ようやく麻也が、
「三浦くん、どうして辞めちゃったんですか…? 」
「ああ、それが二転三転なんですよ…」
と須藤が言うには、三浦の父の会社ー諒たちのレコード会社だがーの社長が、
<そんなに働き者ならこっちに来て>と言い出し、
急きょにそちらに動くことになった…ところに…
ともだちにシェアしよう!