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第17章の65(←麻也王子には永遠に秘密?)
「…芸能事務所からのスカウトもきたそうで…」
諒のあの洋館での撮影の時、俳優専門の事務所のマネージャーに目を留められたということだった。
「もう、今日面接だそうで…何にせよウチにはもう戻ってこないでしょうね…」
ここまでくると須藤の計略とも思えない…
いつしかつないだ手を離していた麻也も、
「確かに三浦くん、女の子にモテそうだったもんね…」
その言葉にちょっとドキッとしてしまった諒は、
「うーん、でもルックスだけじゃね…情熱がある人の方が強いだろうし…」
と言ってから、まあ誰が大化けするのかわからないのがこの世界…と思い返したが、
須藤がすかさずフォローしてくれた。
「そうそう。情熱とルックスが合わさって結果を出しているのが、
あなたたちディスグラ。
…さあ、今日も一日がんばりましょう! 」
…でも…がんばりましょうを須藤に言われる日は,
だいたいメンバーに元気がない様子の日なのだ…
見れば、確かに麻也の元気のなさは、昨日とさして変わらない。
自分が戻ったくらいではあんまり癒されなかったのか…
ちょっと諒は寂しく思った…
スタイリストたちが来るまで、と須藤が撮影場所の公園に案内してくれた。
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