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第17章の66←(麻也王子と結婚したい諒)

 レンガ風の舗装の遊歩道と木立くらいしか見当たらないこのロケーションで、 どう魅せろというのか… 諒は疲れがどっと出た気がして、ポージングも麻也に任せたくなってしまった。  思わず諒は、二人から離れて、近くの木にもたれかかってしまった。 そしてぼうっと、 公園の景色をを一人眺めてしまった…  …直人に言われた通り、諒は三浦のことを特に意識しないことにした。 (…そのうち、記憶がフェードアウトしていくでしょう…)  人生で初めての不貞…いや、大翔の誕生の時のこともあるから、 危うく麻也を二回も傷つけるところだった… (こういう、俺の青さが残ったところも麻也さんは嫌なのかな…)   でも… (…本当に、女の子たちの時は何にも思わなかったのに…) 麻也には本当に、きちんと<結婚>のような形を取らなければ… 本当に、麻也こそがその、運命の相手なのだと思った時に…  諒はいきなり麻也に手を引っ張られ、気が付けば唇を奪われていた。 「もーらいっ! 」 麻也が笑顔で芝生の方へ駆けていく。 その華奢な背中を追いながら諒は、 あと4か月のつきあいなんてもう2度と言わせるもんか、 そう心から思っていた… (この章終わり)

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