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第2章<暗いルージュ>の1

 実は、麻也にとってバンドの解散は初めてではなかった。  人気絶頂期での解散、そしてビッグバンドであるがゆえに「伝説」と言われた…のは、 今回が初めてではあったが。  麻也がギターを始めたのは、中学生のころだった。  小学生のころに、デビッド・ボウイが「レッツ・ダンス」で流行っていて、 それがかっこいいと思った麻也は、中学に上がるころにかけて、 近所に住んでいた従兄にアルバムを借りたりビデオを見せてもらったりした。  それで…デビッド・ボウイみたいなボーカリスト、には近づこうとは思わなかったが、 それに妖しく絡む、ミック・ロンソンというギタリストにはなんとなく憧れてしまい、 貯まっていたお年玉で安いギターを買って、練習を始めた。  …難しいのと、周りの友達とバンドを組む兼ね合いもあって、日本のバンドのコピーもした。

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