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第2章2
流行のものばかりでなく、デビッド・ボウイまわりのグラムロックとか、
洋楽邦楽問わず、アンダーグラウンドでも、「美しい」とか、「狂気を秘めた」みたいなバンドが大好きだったが、
何しろお金が大変で、最初のうちは祖父の財産台帳のワープロ入力の代行や蔵の整理の手伝いでお小遣いをもらっていたが、
高校に入ると近所のコンビニでアルバイトをするようになっていた。
高校でようやくバンドらしいバンドが組めたが、麻也の好みはあまり反映できず、
日本の流行っているバンドのコピーを地元のライブハウスでやっていた。
唯一、その頃日本のメジャーシーンを賑わわせていた、バンド名がそのものズバリの「デカダンス」という、
かなり雰囲気のあるバンドのコピーには力が入ったけれど。
やっかむ声はあったけれど、本家本元のギタリストのように、前に出てポーズを決めて弾くので、人気はあった。
学園祭ではバンド3つを掛け持ちだった。
2年の時は、学園祭の「ミスター都立O高校」コンテストで、3年生をさしおいて優勝してしまった。
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