22 / 1053
第2章の4
…ライブが終わると、今度は同好会のOBの大学生に声をかけられ、今度のライブに来ないかと言われた。
次の土曜日に行ってみると…ライブを見た後は、
「ウチでギターを弾かないか? 」
と誘われた。
雰囲気のいいバンドだったし、都内のライブハウスにも出られるというので、二つ返事で参加した。
もう同好会の部長なんて引き受けている場合ではなかった。
その大学生バンド「ミルドレッド」は、メークもばっちりのデカダンスな四人組のバンドで、
麻也はそこでメークやファッションも覚えた。
初めてのライブは緊張で足がすくんだが、いざライブが始まると、緊張は忘れ、評判も上々だった。
プロになれたら、いや、なるんだ…そんな気持ちが芽生え始めたのもこの頃だった。
都内のライブハウスには業界関係者が来ることもある。
彼らには「お前にはせっかく華があるんだから、もっと技術を磨け」とよく言われ、麻也は必死で練習をした。
地元のライブでは、ベースを始めたばかりの真樹もよく来てくれた。
が、そんな麻也に立ちはだかった壁が「大学受験」だった。
ともだちにシェアしよう!