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第2章の17
アパートに帰ってひとごこちつくと、同居しているKYOと大きなため息をついてしまった。
KYOは本当に性格のいいヤツで、仕事もできたし、今の仕事に対する不満のベクトルもMA-YAと一緒だった。
「…なんだよ、ウチの事務所って…」
「酒池肉林のオンパレードなんじゃないの…」
「俺達、ロックバンドだったよな? 」
「ライブ始まれば変わるかなあ? 」
気づけば、CDはもうリリースされ、雑誌やプロモーションビデオでも宣伝されているのに、
マメな真樹からも、一本も電話はない。
きっとこのバンドの実態が見えてきて当惑しているのだろうと、MA-YAは悲しくなった。
まだ単独ライブが出来る実力がないと見なされて、ツアーはすべてロックイベントの出演、トップバッターだったが…
野外の昼間でも「セクシュアル」のルックスのド派手さは目立った…
が、他のパートに比べてボーカルにインパクトがなく、本当に「前座」という感じだった。
それにイライラしながらも、ギターとベースはステージの上を飛び回り、観客をあおり続けた。
少しずつではあったが、それに反応してくれる客も増えていった。
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