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第2章の26

 社長のおごりで、打ち上げの店もいつもより良かったが、 動員が減っているせいか、それともやっぱり社長の手前メンバーに絡めないからか、 いつもと違ってよくわからない人間もおらず、こじんまりとした打ち上げになった。  それでも店に入ってきたり、店の前でたむろする追っかけの数は相変わらずだったが、 今日は「魔よけ」の必要もないし、社長にもいつもの様子を知られたくなくて、 プレゼントをもらったり、握手をしたりだけで、メンバーは追っかけをスルーした。  ホテルに帰ると、ほとんど飲んでいなかったMA-YAは急いで浴衣に着替えると、 廊下に人がいないのを見すまして、社長の部屋へと走った。  おしゃれなツインの部屋に入れてもらうと社長は一人で、何となくMA-YAは緊張してしまったが、 社長は笑顔で、まあ駆けつけ三杯、と一升瓶から、グラスになみなみと日本酒を注いでくれた。 「俺はこういうのが好きでねえ…あ、今オッサンくさいとか思っただろ? 「思ってないですよぉ…」 実は図星だったが、MA-YAは笑ってごまかした。 そして乾杯すると、MA-YAはグラスを一気に空けた。 「強いのわかるけど、あんまりムリするなよ。」 と、心配そうな顔をされた。  それからはさしつ、さされつ…でも何となく沈黙になってしまう…仕方なく、MA-YAの方から、 「あの…お話というのは…」

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