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第18章の3(←麻也王子、諒に養分を贈る)

 実は、麻也は諒が大好きなイギリスの画家、 オーブリー・ビアズリーのモチーフのネクタイをプレゼントしたのだった。  ビアズリーの絵は繊細な白黒のペン画。  世紀末の画家だけに官能的で耽美的な作風で、 クリムトなどの他の世紀末の画家のように、 諒の創作の養分になっているようなのだ。  ネクタイの柄はそれぞれ、10頭身くらいの「サロメ」と、「胎児」のモチーフ… シャンパンゴールドの地に、黒1色のそれぞれのモチーフの柄。 それは諒によく似合ったし、諒以外の人間には身に着けるのは無理だと麻也は思った 何より諒は、プレゼントがあったことをすごく喜んでくれた。 バレンタインデーは冷戦の真っ最中でお互い何もなかったから…  まあそれで一夜明けてから、諒がバカ真面目な顔でベッドに正座して、 「…お返しにはこの体しか…」 なんてふざけたことを抜かしてきてあんなに燃え上ってしまったのだが… 「パーティーの時に身につけたいね。 麻也さんのチョーカーみたいに…」 チャート1位の正式な祝賀パーティーの時、 麻也は例の、諒のプレゼントのペリドットとゴールドのチョーカーをつけていったのだが、 大好評だったので諒は鼻が高かったのだ。

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