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第18章の4(←麻也王子、計略中?)
麻也もパーティーのことを思い出しながら、
「そうだね。<襟元見て見てコンビ>になるね。」
「麻也さんの愛のネクタイ...うふっ♪
でもあれ高かったでしょ? 」
「あのチョーカーほどじゃないと思うけど...
三田さん経由だし。
諒に用意してるとこ、俺見えちゃったから声かけて…」
その日の諒の衣装には使わせず、諒が来ないうちに買い上げにしてしまったのだ。
(こんだけ上機嫌ならさりげなく言っても大丈夫かなあ…
でも、俺からじゃなくてミーティングの時に須藤さんから何気なく、
確認ぽく言ってもらうとか…)
「麻也さん、部屋着持ってくるね。」
「あ、でも…」
まだあんまり動けないと言おうとしたら、諒はにんまりして、
「大丈夫ですよ。このじいやが着せて差し上げますから…」
ウキウキと消えていく諒の背中を見ながら、
せっかくの休みにまた麻也は仕事のことを考えてしまう。
(チケットのためのテレビ出演の一環なんだけどね…)
また諒が怒りそうだったので、あらかじめ伝えておきたかったのだ。
四月の初めに、いよいよデビューのアイドル・太賀鈴音とのテレビでのコラボ…
自分でもあまり気乗りがしないが…
(…俺みたいな野郎が隣でギター弾くなんて、
彼女のファン獲得には逆効果だろうに…)
まあ、タイアップとの引き換えにもらった仕事なので仕方がないが…
(そうだ、スタジオに、メンバーの応援として真樹と直人と一緒に来てもらえばいいんだ…)
その時、諒が戻ってきた。
「…まやさんの好きなモコモコにしたよ…」
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