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第2章の31
ぼろぼろに傷ついたMA-YAを見ても、案の定、マネージャーは何も言わなかった。
社長に言い含められていたのだろう。
いつものアパートに着くと、使い捨てのおもちゃのように、玄関に入れられた。
「MA-YA! 」
一足早く、サブマネージャーたちと帰っていたKYOに、もたれかからずにはいられなかった。
「どうしたんですか! 」
KYOはマネージャーにくってかかったが、、
「朝も言ったとおり、体調不良だよ。オフの間、頼んだよ。」
それだけ言うと、マネージャーは帰って行った。
「MA-YA、どうしたの?! 」
KYOに揺さぶられて、ようやく、人間らしく扱われている気がした。
しかし、うつむくことしかできなかった。
「一人にして…くれないかな…」
「MA-YA…」
玄関に上がると、MA-YAは左にある自分の部屋にこもるしかなかった。
うずくまっていると、KYOがドアをノックして開け、荷物を持ってきてくれた。
「MA-YA、コーヒーでも持ってこようか? 」
「ううん、いい…ごめんね…」
恥ずかしくて、KYOの顏も見られない。
涸れ果てていたはずの涙があふれてきて、それを隠すのに苦労した。
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