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第2章の33

 夕闇がいつしか迫ってきて…  気がついた時、MA-YAはカーペットの上に横になっていた。  もう真夜中の2時らしかった。  暗さが恐ろしかった。  が、振り向くと、ドアにはめられたガラスから、光がさしている。  どうしたのだろうと思って部屋のドアを開けると、居間の電気は消されていたが、 その向こうのKYOの部屋のドアは開け放たれ、電気がついていて… KYOは壁にもたれてこちらに向かったまま、眠っていたのだ…  ありがたかった。  でも、話すことはできない。  でも…  生きようと思った。  こんなことで負けたくない…  こんな境遇のまま、死にたくなんかない…  MA-YAの次の仕事日は、その3日後のリハーサルスタジオでだった。

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