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第2章の39
嫌だったが、、仕方なく社長室に向かった。
ソファに腰掛けると、
「髪型がずいぶん変わったな。こっちの方が似合ってるよ。」
「ありがとうございます。」
オフィスの中の社長室なので、MA-YAも少し警戒をゆるめている。
すると、少しの沈黙の後、
「MA-YA、俺は君に未練がある。事務所に残って他のバンドを助けてやってくれないか。」
「いえ、それは…」
「どうせ行くあてもないんだろう? 」
「いえ、いくつか誘いはあります。」
「それはウチのグループ会社? 」
一瞬考えると、すべてが違う。
「いえ、違います。」
「僕は君を手元に置いておきたいんだ。」
MA-YAの体はびく、っと震えた。
それでも社長はなおも続けた。
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