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第3章<緑の眼>の1
実家に戻ると、両親もあたたかく麻也を迎えてくれた。
その様子から、さぞ苦労をしたのだろうと、あまり詳しいことは尋ねられなかった。
麻也は心苦しかったが…
しかし、安らかに過ごせる環境でも困ったことが起きてしまった。
それは…
あのいまわしい夜の悪夢。
それが恐ろしくて夜眠る事が出来ず、朝方に眠りに落ちる。
原因は誰にも言えない。
家族が心配しているのもわかる。
「兄貴、うなされてるみたいだけどどうしたの。」
真樹にも言えない。母に感づかれたら…というのも怖い。
起きている時も、考えが混乱する。
まずは大学に戻っては…と両親は言うが、そんな気にもなれない。
何しろ、身内以外の人間と近くにいるのが苦手になってしまっているのだから…
そして、まだどこかで音楽をあきらめきれない自分もいて。
そのくせまた音楽性に迷って。
そして業界なんてもうこりごりとも思って。
「真樹みたいにアマチュアバンドしかないのかなあ…」
それなら真樹のサポートの口もあるわけだし。
でも、一応プロだった自分が、インディーズならまだしも、アマチュアというのも…
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