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第18章の15(←ベッドに入れない麻也王子)

(単に俺が弱っているだけなのかな…) 振り返りながら去っていく諒の姿に、さっきまでの練習は忘れ、 ちょっと私情、というか胸がきゅん、とするのを麻也は感じた。 (追っかけていって甘えたくなっちゃったな…) 麻也はしばし病気のことも忘れ、 今夜はベッドの中で諒をしがみつかせる作戦などを、 スコアの確認をしながら考えてしまった… その後はそのまま自主トレと鈴音対策で結構時間がかかり、 そうなると食事もスタッフのみんなと… ということになって麻也は帰りが遅くなってしまった。  自宅に着くと、諒は先に寝ていた。 あらかじめメールでそれは言われていた。 (…諒がこんなこと 言ってくるなんて…) よっぽどだと思い、麻也は心配になる。 しかし、麻也がミネラルウォーターを飲もうと冷蔵庫に向かうとそのドアにも、 <麻也さん、本当にごめんね、先に寝ています。まやさんのスペース空けとくね♪ > と、いつもの、諒の女の子みたいな字の張り紙があって… 麻也は、ちょっとほのぼのとしてしまった…  しかし... シャワーから出て麻也が寝室に入ってみると… 間接照明はついていたが、肝心のベッドは、 やっぱりよっぽど疲れていたのだろう。 諒が大の字になって占領をしていたのだ…

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