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第3章の7
2人が行ってしまっても、少し4人には沈黙があった。
チャラチャラした業界人くずれ…そんな風に思われたかも…と麻也は少し後悔したが…
(でも、ああするしかなかったし…)
すると、どうにか真樹が、
「…これが前々から話してた俺の兄貴。遠藤麻也。」
よろしくね、と麻也は軽く頭を下げた。
すると二人は立ち上がり、
「ドラムの原田直人です。よろしくお願いします。」
「ボーカルの:日向諒です。よろしくお願いします。」
と、自己紹介してくる。
「あれ、ギターの人は? 」
「帰ったよ。今日でやめてもらったんだ。兄貴も見てただろ。あんな感じだから。
そして思い切ったように、
「兄貴、サポートで入ってくれるんだろ? 」
いざそう言われると、ちょっと麻也はためらう。
センスはいいバンドだと思うけれど、やっぱり、元プロの自分がアマチュアバンドに入るのは…
それで、歯切れが悪くなってしまった。
「…俺はまあ…でも、諒君と直人君が俺の音を聞いてないのにいいのかなって…」
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