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第3章の8

 すると真樹は、 「いや、兄貴の三枚目のアルバムは好評だったよ。」 すると諒が、 「でも、生の音、聴いてみたいです…」 と言い出し、直人も激しくうなずいている。 「それじゃあ、兄貴、みんなで豊田さんのとこに行くべ。 あそこでギター貸してもらって合わせてみよう。」 豊田さんのとこ、というのは、この近くの貸しスタジオのことである。 本当にいいの? というムードが諒と直人から漂ってくる。元プロでしょ、と。 しかし、真樹がすぐにメークを落とし始めたので、他の2人も麻也の気が変わらないうちにと、あたふたと帰り支度を始める。 自分より結構背の高い諒がおろおろしているが何だかおかしくて、 思わず麻也は吹き出してしまった。が、 「はい? 」 と、そのハングリーな目力でにらまれた。 生意気なヤツだと思ったが、何だか好感が持てる気がした…

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