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第3章11

 スタジオから出ると、夕食と打ち合わせを兼ねて、 みんなでファストフードの店に入った。 シェイクも注文したのだが、いざ席に着くと、麻也のチョコシェイクがない。 「兄貴、オーダーミスだよ。このストロベリーで我慢しなよ。」 「えーっ! 」 「ガキかよ。はい、打ち合わせ。」 「えーっ! 」 すると先にシェイクを手に取っていた諒が、 「あの…これで良かったらどうぞ…まだ手もつけてないし…」 「諒クン、優しい~、いいの? ありがとう♪ 」 大好物を手にしてつい大喜びしてしまったが、 諒はちょっと引いているように見えて、麻也は少し恥ずかしくなった。 すると直人が、 「麻也さん、そういや、あの女の子たち、どうしてますかね? 」 みんなそのことはすっかり忘れていた。が、麻也はすましたもので、 「うーん、いいんじゃない。それより打ち合わせの方が大事だし…」 シェイクより女の子の方が下なんだ…と真樹が突っ込むと、 「ゆきずりの人だからたぶん大丈夫だよ。」 「そ、そんなもんですかね…」

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