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第4章の4

「動員かあ…俺ももっと動かなきゃな。」 「ドラムももっと客席あおらなきゃな。」 2人は口々に反省点を言いあっていたが、また諒は押し黙ってしまった。 (彼の世界観を、俺が壊しちゃったのかなあ…) 麻也が心配して諒の方に視線をやると、それに気づいた諒はなぜかあたふたする。 その時、 「ねえ兄貴、曲を書いてみる気ない? 」 嬉しい言葉だった。でもすぐにはっとする。 「ありがたいけど、諒クンや真樹の作ってきた曲とケンカしないかな。」 「いや、兄貴のディスグラ用の曲、試しにでも聴いてみたい。 バンドとして書いてくれるわけだから、ケンカはないんじゃない? 」 諒も身を乗り出してきたのを見て、麻也は密かにほっとして、 「諒君、今日、もしかして諒君の世界観を、俺が壊してしまったのかな? 」 すると諒はドキッとして、しどろもどろになり、 「いや、俺のはまだ発展途上だから、刺激になって良かったですよ…」 すると直人が、 「それじゃ長老、曲は早めに頼みます。」 「直人、何だよ、その長老、ってのは。」 「麻也さんのニックネーム。」 「ジジイみたいでいや~!! 」 諒まで大笑いした。 バンドのメンバー全員で笑えるのは本当に楽しいと、麻也は久しぶりに感じていた。

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