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第18章の17(←南の島を夢見る麻也王子)
その頃、2曲めの曲のプロモーションビデオが流れ始めたり、
それが使われているドラマの前宣伝が流れたのを見すましたように、
鈴音の事務所…大手の<ローベル企画>から、
麻也に、急なリハーサルや打ち合わせが入ってくるようになった。
いくら急上昇のディスグラを抱えているとはいえ、
こちらは弱小事務所なのでそう断るわけにもいかず、
駆り出される麻也のストレスはますます増えていった。
そして、また諒より遅く帰ることが続いたので、
自分の部屋で寝ることが続いてしまった。
さらには朝の時間もずれることがあり、
現場でようやく諒と顔を合わせることもあった。
ボーカリストの諒こそツアー途中で倒れるわけにはいかないので、
麻也と過ごしたいのを我慢して、できるだけ睡眠をとっている。
...そんな諒の不満が暴発しそうになった時、
麻也は約束した。
…ツアーが終わったら、2人きりで南の島で過ごすことを。
口約束と思われるのも嫌だったので、
南国ならお任せ、の諒の付き人の小野にこっそりチケットも手配してもらい、諒を喜ばせた。
「でも、プランは2人で立てたかったかも...」
「ツアーの移動バスの中とかで、再検討できるし、
いくらでも変更すればいいじゃん。
俺、本気って知ってほしかっただけだから。」
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