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第5章の7
すると高橋は、
「いや…そんなのドメスティカさんもウチも系列違うから関係ないし。
気にしなくていいよ。他にも何かある? 」
「その…噂を立てられてるんです。」
傷口を開く思いで、麻也はどうにか言葉にした。
「どんな? 」
「前の社長と俺が…その…」
「つきあってた、みたいな? 」
「はい…」
すると高橋はあっさりと、
「事実無根なんでしょ? そういう男同士ってのはマスコミにはのらないから大丈夫だよ。
それにしても麻也くんみたいに…綺麗だと、何かと大変だな。」
「ファンにまで…」
「ファンは諒と麻也の噂の方が好きだからすぐに消えるよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
事実無根という言葉が引っかかったが、これ以上麻也は言うこともできず、
みんなの待つ廊下に出た。
「どうしたの? 」
何でもないよ、と麻也は笑顔を作り、本田の後ろを歩き始めた。
真樹にはわかっただろうなと思う。
今回は麻也も事前に親と相談し、メンバーが事務所とレコード会社と契約したのは翌週だった。
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