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第18章の21(←不倫疑惑?の麻也王子)
「…その…社長室で聞かされたんだ。
兄貴が諒にも話したがらないっていうから、
身内のお前には伝えておく、って。
兄貴、どうしたの? 諒と何かあったの? 」
と言って、コーラを2本並べると、真樹もテーブルについた。
「…いや、真樹はビール飲みなよ…」
「いやだ。俺は兄貴と一緒がいいの!
…って、食べながらでいいから話してよ。」
麻也は困ってしまい、グラスの中のコーラの泡を見つめるばかりだった。
でも、何か言わなければ、と、取りあえずこんなことを言ってみた。
「いやあ、真樹、俺だって困ってるんだよ…
好きでこんな体調になったわけじゃないし…
ツアーだって心配で…」
…そんなことを心配する自分も、それを伝えて弟を不安にさせる自分も許せない…
そんな考えは真樹にも伝わったのだろう。
重い空気になってしまった…
すると真樹の方が、
「…兄貴、いろいろ悩みはあるだろうけど、
薬と病院のことは諒に言っても大丈夫だと思うけど。
諒は…俺が思うに、兄貴に他に好きな人ができた、とか言うのじゃない限り、
もう大丈夫だと思うけど。俺たち3人も、少しは大人になったと思うけど。」
うん…と、麻也がつい煮え切らないでいると、真樹はおののきながら、
「…まさか…兄貴…? 」
「ん? 」
「…他に好きな人ができたの…? 」
冗談で返す気にもなれなかったが、麻也の指先は少し震えた…
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