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第18章の23(←弟に甘える麻也王子)
「兄貴、今日は泊まっていきなよ。俺が諒に電話するからさあ…
って、兄貴にも出てもらわないと諒は納得しないか…」
「ううん、今の諒なら大丈夫だと思うよ。」
やっぱり真樹にも甘えてしまっているな、と、麻也は心の中で思った。
「えっ? 何で? 」
「何かすれ違っちゃって。俺が薬隠すために、
自分の部屋で寝てるせいもあると思うけど…
諒も、来週のための歌詞が大変みたいだし…」
そこまで言って、麻也は残念なことに気が付いた。
「いやあ、俺、せっかくだけど泊まれないよ…
薬持ってきてないから…」
「じゃあ、泊まるのは明日でもいいから、まずは何か食べなよ…」
と言われて、麻也は大好きなローストビーフに箸をのばした。
口に入れて、久しぶりに、おいしさと言うものを感じた気がした。
でも、真樹にこれ以上心配をかけたくなくて、そのことは黙っていた。
が、麻也が食べているのを見届けると、真樹も同じくローストビーフを頬張りながら、
「…俺も一人の人間としてはさ、正直言って、兄貴の体の方が心配だよ。
そりゃあメンツは違うだろうけど、自分をいびり出した大手に、
また無理言われながら仕事してるわけじゃん。みんなのために…」
(…ごまかしきれた、かな…? )
「…うん…まあね…」
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