986 / 1053
第18章の25(←弟の愛が嬉しい麻也王子)
「いや…悪いけどどうしようかな…次の診察日はあさってなんだよね…
こういう薬は最低でも2週間が様子見るのに必要らしいから…」
麻也も焦らないわけではないのだが、なぜか律儀にそんな返事をしてしまった。
しかし真樹は強く、
「それはそうかもしれないけど、その薬、劇的に効いてるようにも見えないんだけど。
明日はレコーディングの最終リハでしょ…」
シングルのリハーサルは身内だけなのだからどうにかごまかして、
須藤や鈴木と4人で病院に行こう、と言うのである。
聞いているうちに、弱っている麻也にもその方がいいような気がしてきた。
何なら3人に強くねじこんでもらって、
ツアーのために治るものなら入院でも何でもさせてもらおう、と言う気もしてきた…
「その通りだよね、じゃあ悪いけど、真樹、頼むよ…」
真樹もほっとした表情を浮かべたところで、真樹の携帯が鳴った。
諒だったらどうしよう、と、一瞬、麻也はビクついたが、
「あ、鈴木さんだ…もしもし…」
鈴木というので、麻也は嫌な予感がした。
明日、鈴音の関係のリハーサルでも入れられたら、
自分たちのリハーサルも、通院もどうなって…
…そのユーウツそうな表情を見た真樹が鈴木と話してくれる。
ともだちにシェアしよう!