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第5章の17
ベッドに座らせられると、何だか恥ずかしくてむこうを向いてしまった。
人と抱き合う前にこんなにドキドキしてしまうのは初めてかもしれないと麻也は思った。
それも、「久しぶりだから」などではなく…
やっぱり、ずっと気になっていた諒が相手だからだろう。
隣に座った諒が、愛しくて仕方がない、という目でまた優しく抱きしめてくる。
「麻也さん、大好きだよ…」
麻也は、その腕に、そっと手をのせるのがやっとだった。
(…きっと俺も…こんなに気になった人間は初めて…
いや、俺の傷を癒してくれるって宣言してくれたから…
ううん、諒のことは出会ってすぐから、俺も気になってた…)
無言もおかしいかと思って、麻也はこんなことを言ってみた。
「…俺も悪魔の魔法の時、反応おかしかったでしょ? 」
「えっ? そう? 俺余裕なかったから全然わからなかったけど…」
「うん…」
「じゃあ…」
と、諒は緊張した表情で、毛布を脇に寄せると、
覆いかぶさるようにして、麻也をシーツに横たえ、
「…本当のキス、しよう…」
そう言って抱きしめられると、怖くなって、麻也の体は動いた。
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