132 / 1053
第5章の19
「麻也さん、こんなに愛してるよ。麻也さんは?」
「…そんなの…」
愛、はまだ軽々しく響くようで自分は言えないと麻也は思う。
でも、諒は必死だった。
「いいから、言って。お願いだから。」
諒に応えたくて、諒に嫌われたくなくて、麻也は決心して、諒の目を見つめて言った。
「…諒のことが、好きだ。ずっと…一緒にいたい…」
それを聞いた瞬間の、諒の厳粛な表情は、一生忘れないだろうと思った…
次の瞬間には、窒息するくらい、強く抱きしめられていた。
「もう離さない。麻也さん、俺たち本当の恋人同士になっちゃおうね…」
そういうと、諒は激しく麻也の唇を貪り始めた…
「…諒っ…」
首筋を責められると、恥ずかしいくらい感じてしまう…
諒の唇を受けながらも、なぜか涙があふれてきた…
どういう涙なのかは自分でもよくわからない…
でも諒はその涙まで舐めとってくれる…
しかし、心配そうに、麻也を抱きとめると、
「…麻也さん、もしかして、やっぱりイヤなの…? 」
「違う…そうじゃなくて…諒…」
最後の声は、本当に麻也自身恥ずかしいくらいまた甘くなってしまい、
…いいから、諒…
「…ん…じゃあ、そんなに、俺のことを…? 」
…う…ん…ぁあ…諒…
ともだちにシェアしよう!