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第5章の27
でも、麻也はこの奇妙な感覚がやっぱり嫌で、思わずシーツを握りしめてしまった。
そして…諒に惹かれ、諒とひとつになるための行為なのに…あの時と行為の形そのものは同じだと嫌な気持ちにもなる…
でも、だからこそ、諒にたどってもらいたいとも思うわけで…でも…
「んっ…」
「あ、気持ちよくなってきた? 」
勘違いした諒に指を増やされて…
「あっ…くっ…」
また勘違いした諒はその声に刺激されたらしく、表情に余裕が無くなっている。
「麻也さん…華奢な肩のラインもたまんないよ…や…俺入っていっても大丈夫かな…」
(あの時も、こうだったの…? 俺…いくら体が勝手にっていっても…嫌だ…)
その一方で麻也は不安になった。
(諒に、経験が…あるって…バレてしまうだろうか…)
諒が初めてにこだわっているかはわからない。
それとも業界にいたぐらいだから、一人二人ぐらいは当たり前とか思っているだろうか…
「麻也さん、そんなに怖がらないで。大丈夫だから…」
2人なら、初めてのことでも大丈夫…そう微笑んできたのだ…
罪深さに、麻也はおののき、ため息をついて、思わず両手で顔を覆った。
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