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第5章の39

 そして麻也は諒ににじり寄ると、諒の額に自分の額をくっつけて、 「でもさ、何よりまだこれは二人だけの秘密なんだよ。それに…」 と、言いかけて、麻也はためらった… 「麻也さん? 」 「カミングアウトしても、普通の恋愛みたいに、みんなに祝福されるとは限らないし。」 「大丈夫。麻也さんのことは俺が何としても守るから。 「ありがと。」 麻也は諒の額にキスをした。諒の表情は一瞬明るくなったが、すぐに、 「で、一緒に暮らす話は? 」 「うん、そうしようね。でも最初のアルバムのツアーが終わらないと今の環境は変えられないと思うよ。」 「確かにね…」 「何より、俺が明日、真樹のいる家に帰った時から、本当に『秘密』は始まるんだよ。 俺、真樹と直人にすら、隠し通せるか心配だもん。」 「う…ん…」 「だから早く実績を作ろう。…ってことで、 まずは俺の行きづまってる歌詞をチェックしてもらえないかな…」 「…って、麻也さん、まだ5曲中3曲しかできてないの? 」 「うん。だってこの曲の詞がはっきりしないと、次に進めないんだもん、俺。」 「じゃあ、もう一回こうして集まれるね。」 「ええ、まあ…」 形勢が逆転してきて、麻也はアセる。 「じゃあ、また今夜はムフフ…」 「えーっ! 諒っ! そんなあ…」 「はーい、麻也さん、ベッドに戻りましょー!!!」 諒に腕を掴まれ、本当にベッドルームへ… ベッドに押し倒され、服を脱がされると、諒に甘い声でこう囁かれた。 「麻也さん…今夜も堕天使にしてあげるね…」 「諒…」 「堕天使が初めて繋がった王子様の愛撫はどんな感じかな…いい歌詞書けそうだね…」 「…あ…あぁ…」 「背中の羽根の跡にもキスさせてね…」 と、諒に長いふわふわの黒髪をかきあげられる。 そして、背中の…背骨の両サイドの大きめのほくろにキス…

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