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第5章の40

 次の日の朝…麻也は珍しく早くに目が覚めた。諒に再び愛を刻まれた素肌のまま…  諒はまだ夢の中だった。告白の前々夜くらいからほとんど眠れなかったと言っていたから…  麻也はどうしても気になったので、自分が着てきた服を身に着けるとリビングに移り、 テーブルの上に広げっぱなしになっていた諒の歌詞ノートとスコアをこっそり見せてもらった。 (ウチらしい、いい詞だな…でも歌いづらそう…あと、会場が大きい割にはマイナーな作品てことになるかも…)  すると、 「麻也さん! 」 ベッドから、諒が叫んでいる。 「はーい! 」 すると、裸の諒が、壁で下半身を隠しながら顏を出し、 「ああ良かった。帰っちゃったかと思った…」 「ごめーん。カンニングしてた…」 「ああ、それは全然。」 「でも、もうそろそろ帰る。で、早く曲あげて、また電話するよ。」 すると諒はそれをおとなしく聞いていたが、 「あ、ちょっと待って。」 と、少し隠れてズボンだけ身に着けると、麻也のそばにしゃがみこみ、 「これ、つけていって。」 と、自分がいつもつけているペンダントを外す。

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