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第5章の41

 それは米軍の兵士がつけている「ドッグタグ」と呼ばれる識別票の、 小さめのレプリカの、銀色のペンダントだった。 パンクっぽい服には合うが、衣装によってはどうだろう、と思った記憶が麻也にはある。 「いいの? 大事にしてたじゃん。」 「うん。俺にはこれくらいしかないから。」 といって、つけてくれると、頬にキスしてくれた。 「俺のこと、一分一秒たりとも忘れないで。」 「もう、諒ったら…」 (うーん、でもこのくらい愛が重い方が、俺にはいいのか…? )  それで、麻也も、 「このブレスレットで良かったら…」 「いいよ、麻也さん、気に入ってるんでしょ。」 といいながらも、諒はかなり嬉しそうだ。 「ごめんね、ペンダントの方がじゃまにならないと思うんだけど、これしか…」 「ううん。ありがとう。このちっこいオーナメント、全部天使なんだね。 麻也さんがいっぱいだ。」 と、眺めているうちに、諒は、 「でも、こんな可愛いの、誰かからのプレゼントじゃないのぉ? 」 「言うと思った。でも違うよ。ディスグラに入ってすぐ、 バンドの雰囲気にアクセも合わせようと思って買ったんだ。」 そして、まやもすぐにブレスレットを外し、諒につけてやると、頬にキス… しようとしたところを、あごをとらえられ、唇にキス…

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