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第5章の42

諒の唇の柔らかさ、白い肌のみずみずしさに、麻也は何となく、 自分たちがまるで少年同士で、初めての恋をしているように感じた。 それも、やっぱり、いけない恋… 諒の緑色の目から、諒の好きなジャンジュネの小説の世界かなと… 「どしたの? 」 「ううん、諒の緑色の目、宝石みたいに綺麗だなと思って。 歌詞に出てくるペリドットみたい。」 「麻也さんがそう思ってくれて良かった…微妙にコンプレックスだから… あと、英語で『green eyed(グリーン アイド)』って意味、知ってる? 」 麻也は白状しないわけにはいかなかった。 「…知ってる。『嫉妬深い』でしょ? 」 「おや、良くご存じで。」 麻也は真っ赤になった。 「…諒の目が緑って知ってすぐ…歌詞にしようと思って英和辞典引いたら出てた…」 「もう、麻也さんたら…俺のことそんなに…」 また、諒は腕をまわしてくる。 「…だから、俺、かなり嫉妬深いし、独占欲強いんでよろしくね♪  麻也さんのそばに近づく奴は男でも女でも、もう…」 イジワルして言ってやった。 「ごめん。俺、もう帰らないと。」 「麻也さん、冷たい…」

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