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第5章の46

―寂しい。やっぱ電話する。 ―えっちな麻也さんが忘れられないよお。夜にひとりなんて耐えられない… …などなどメール10件。本当はこの倍くらいしたかったのでは… (仕方ない。メールするか。) ―今夜は徹夜します。明日『仕上がった』の電話ができるよう、諒も祈って下さい。  すると、また返事は来たが、 ―明日はボイトレで忙しいです。 の一行だけ。そのまま放っておいてもいいかと思ったが、 ―ボイトレがんばって下さい。おやすみなさい。 …と、送信するや否や、電話が着信… ―麻也さん、俺、寂しかったんだからねっ! 受話器の外まで聞える大声で怒鳴られた。真樹がリビングに入ってきたので、麻也はあわてた。 「だからあ、明日、絶対そっちに行くって言ってるじゃん! 」 彼女から? と真樹がニヤニヤしながら近づいてくる。 ―もし曲があがんなかったら、また今日みたいになるんでしょ?! 「諒…」 何だ、諒か…と真樹は冷蔵庫の方へと行ってくれた。

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