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第18章の34(←ロックスター・麻也王子参上!)

しかし、専務は察してくれたらしく、それにはこだわらず、 「これから色々とお世話になると思うけど、 まずは手始めに鈴音からよろしくお願いします...」 「いえ、こちらこそ…」 麻也は深々と頭を下げた。 「鈴音は何もかもが初めてなんで、お手やわらかに.. .今日は目を皿のようにしてチェックしてますから。」 そして、今度飲みに行こう、と笑顔で部屋を出て行った... 鈴木たちのあたたかい目も感じ、麻也は思わず泣いてしまいそうになったが、 ごまかすために、 「アウェーなのに、さらにハードル上がっちゃったな...」 すると鈴木は、 「いやぁ、でも何か感動しちゃいましたよ...」 そして、これからもご縁があるといいですねとも言ってくれたが、 「うーん、みんなが専務くらい俺を思ってくれたらねえ...」 三人で苦笑いするしかなかった… 「よろしくお願いしまーす。」  テスト的なセットが置かれた、白くがらんとした収録用のリハーサルスタジオに麻也が入ると、 準備がほぼ済んだらしい中でケンとボムが待っているのが見えた。 二人に早く駆け寄りたいのをどうにかこらえて、 人気急上昇中のロックスターらしく、悠然とスタジオを横切る。  ファンも諒をもとろかす笑顔をみんなに 振りまきながら…

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