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第5章の50
諒に薬をもらえないか訊きたかったが、諒を呼ぶ元気もなく…
ドアは開いているので、壁をノックしてみた。
すると、
「麻也さん、呼んだ? 」
と諒が心配そうな表情でやってきた。
「ごめん、諒、頭痛が取れなくて…何か薬もらえないかなあ? 」
「うん。抜群に効く、ってオフクロが持たせてくれたのがあるよ…」
と、水も持ってきてもらい、何とか起き上がってのませてもらった。
「しまった。口移しにすればよかった。」
と、苦笑する諒に笑みを見せるのも苦しかったが…
「麻也さん…」
諒がすごく暗い表情になったので、麻也は横になることができなくなった。
「どしたの…? 」
「やっぱ、ムリしてる? 」
「そりゃ仕方ないじゃん。木内さんとこに早めに…」
「そうじゃなくて、俺とのこと。」
「は? 」
「じんましんみたいに、体の方にストレスが出ちゃった?」
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