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第5章の51

「何言ってるんだよ。いきなり諒との天国に連れてかれて、そこから曲作りの徹夜地獄に落ちたからだよ。 もー、諒ったら、前フリないんだもん。」  諒は涙目になるのをこらえるように、後ろを向いた、 それからまた振り返って、麻也を優しく横たわらせると、 「俺、あっちでデモテープ聴かせてもらってるから。作業進めておくから、休んでて。」 そして、 「バッグ、勝手に開けてごめんね。」 「いや、別に見られて困るものもないからいいよ。」 「うれしー♪ 」 ゆっくり寝てて…と諒は部屋を出て行った…    その次には諒の声で目がさめた。  諒は、電気をつけるとクリーム色のカーテンを引きながら、携帯で話をしていた。 「…だから、あした、木内さんがOKなら、二人で行ってしまおうと思ってる。 なので、麻也さんは今日、こっちに泊めるわ。 そっちに帰ってまた、とか、移動させられる感じじゃねーもん。」 どうやら相手は真樹らしかった。 「え? キスマーク? 」 面倒なので麻也は何度も、お前の、と言うように諒を指差した。 諒も素直にそれを信じ、 「あ、あれっ? 魔法の練習のせいかな? とにかく今日は真面目に作業するから大丈夫。 いや、気にしないで。気心知れた麻也さんだから。じゃあね…」 …と勝手にお泊まりが決まってしまった… 「というわけで、麻也さん、安心して♪ 」 「はあ…それは、ありがとう…」  そして、時計を見て麻也は頭を抱え込む。 「せっかく早めにこっちに来たのに…」 「うーん、責任は俺にも…って、麻也さん、頭痛は? 気分は? 」 「おかげさまで良くなったみたい。作業するよ。」  無理しないで、という言葉を、さすがの諒ものみこんだのが伝わってくる。

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