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第5章65

「で、さっきから、諒は何で俺の宣言から逃げ続けてるわけ? 」 諒はいかにも取り繕った明るい笑顔で麻也を見てくる。 「何のことかな? 」 「俺が諒を喜ばせてあげるって言ったじゃん。もちろん、諒の中までは入らないよ。」 「…って…ことは…」 「やったことないから下手だと思うけど、俺も、口で諒を気持ちよくさせたい…」 諒は明らかに動揺している。それで麻也も不安になってしまった。 「諒、もしかして、そういうの嫌いだった? 」 「い、いやあ、その…」 と、無言で、諒は電気のリモコンで電気を消した。 「なんで消すんだよっ! 」 「…諒クン、はじらっちゃう…」 そこで、麻也にもわかってしまう…そして、諒を抱き寄せて、耳元で囁いてやる… 「早漏野郎…」 「ギクっ…ってか、イっちゃうよ、その角度で麻也さん見たらすぐ、絶対に… いつものふつうコースだってガマンが大変なのに…」 「…試してみたいな~」 「イヤ~ん…」 まあ、諒が嫌がることをやるのは気がすすまないし、 せっかく降ってわいた2人の時間をムダにしたくないので、 「じゃあ諒、それはまた今度にするから、電気つけて。」 「ええーっ…」 「どっちなんだよ! 」 やっぱり諒は電気をつけた。 「麻也さんの顏が見られる方がいいもん。それに、麻也さん、ベッドでの表情がほんとに変わった。 明るくなった。すっごく嬉しい。」 「諒…」

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