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第6章の18

(諒はどんなところに引っ越すのかな…)  ちょっと、寂しくなる。  新しい部屋に恋人と住むかもしれない。  再婚だってするかもしれない。  そしてそれを許せない自分がいて…  諒にはもちろんそんなことは離せない。 (未練…か…)  その気持ちを、どうしても抑えきれなくなった麻也は、プライドにはふたをして、 切ない気持ちでなるべく諒のそばにいるようになった。  さすがに例のペンダントはつけられなかったが…  諒のように、ライブの時だけつけるという手もあったが…そこまではできなかった、  ただ、打ち上げの時はそばに寄りやすかった。  諒も特にそれを拒絶しなかった。  すると最近ますます数が増えている関係者たちに、 「あれ、麻也さんて諒君と仲いいんだ。」 と驚かれた。すると諒も、 「仲はいいですよ。ねー。」 等と言って麻也を抱き寄せてくれたりする。 「不仲説がずっと流れてたんだよ。」 言われるたび、自分の行動の影響力が増してきたことを思い知らされる。

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