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第6章の27

「おつかれさまでーす。」  スタッフたちの拍手と社長の笑顔に迎えられ、 麻也たちメンバーは、今のライブが成功であったことを確認する。  楽屋の別室の中は関係者でごった返し、さまざまな人に話しかけられる。  ようやくそんな状況からピックアップされ、打ち上げパーティーの会場に移動する。  出席者は異様に多かった。社長の乾杯の音頭で、パーティーが始まる。  こうしてさっきまでの興奮が収まっていくように麻也は感じていた。  打ち上げは結局3次会まで続き、体は疲れていても、麻也は行きたくて仕方がなかった。    店では諒とは離れてしまったが、諒はイベンターの幹部と話しながらも、 自分をちらちらと見てくれているような気がして嬉しかった。 翌日に引っ越しを控えた真樹ははらはらしているようだったが、 麻也はこのまま家に帰っても、ライブでの興奮はまだ残ってしまうような気がして、 この打ち上げというシステムに感謝していた。  何より諒と同じ空間にいられるのが嬉しかった。  翌日…せっかくのオフの1日目は、真樹の引っ越しの手伝いだった…  家具はほとんどなかったが、最後の荷造りは、二日酔い気味の麻也ものろのろと手伝った。 「兄貴もあんなにノリノリで3次会まで行くからさあ…」 「…ていうか、こんな日に引っ越しする方が間違ってるんだよ…」 「…てことは、俺も武道館やったんだな。なんか頭がぶっ飛んでるよ。」 という真樹もふらふらしながら、スタッフが手配してくれた車に荷物を積み込んでいる。 「まあ、俺も明日は爆睡だな。忘れ物があったらオフの後に取りに来るよ。よろしくね。」  真樹の部屋がどんなものか気になったので、麻也も様子を見に行った。  新築の1LDKで、恵理が選んだらしいおしゃれな家具も入っていた。 真樹は、実家暮らしの恵理とは同棲はしないとは言っていたが…  別れ際、 「兄貴も早く物件探しなよ。」 と言われて帰ってきたが…

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