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第6章の28

 一人になった部屋で、もう真樹に気兼ねがいらないのだと思うと、ソファに転がって爆睡してしまった…  次の日は、せっかくのオフの2日目だというのに、麻也が目覚めたのは昼過ぎだった。  電話すらなく、自由なのは嬉しかったが、何だか寂しいような気もする。それに何かと不便だし… 「俺、やっぱり真樹がいないとだめだったのかも…」 などと、ひとり言も出てしまう。  だらだらしているうちに夜になり、かなり遅くなってからシャワーを浴びた。 武道館の疲れ、そして…この1年悩まされている心の疲れのようなものはあるのだが、 でも、このまま寝るのも惜しくて、バスローブ姿でコーヒーを飲みながら、 真樹が置いていったインテリアの雑誌に目を通していると…  インターホンが鳴った。 (こんな遅くに誰だろう。 真樹…?) 「はい。」 ―麻也さん。諒です…  麻也の心は千々に乱れた。  このまま帰ってもらおうか。    でも…迷いに迷って、 「今開けるから待ってて。」 と、言ってしまった…

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