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第6章の39
「…ってか、俺がそんなことすると思う? 」
すると諒は一転して表情を曇らせ、
「うーん、怒りのあまり、俺に当てつけ、とか…」
「そんなことできるわけないじゃん…俺…」
何だか、胸が詰まってくる。
「俺…正直…諒のことがショックで、情けないけど…体がボロボロになっちゃって。
仕事に穴あけないのが精いっぱいで…何より、諒以外のヤツなんて…」
ごめん、とまた抱き寄せられる。
「…だから、これから荷物つめる時は、薬を忘れないようにしなくちゃなんだ。」
「えっ? 何の薬? 」
「睡眠導入剤。」
諒は色を失った。
「麻也さん…」
「でも、こうして…また諒と一緒にいられるようになれば、
少しずつ薬はやめられると思うんだ…」
そこでまた、麻也の意識は落ち…
再び目覚めると、諒が不安そうに、
「麻也さん、もうシャワー浴びられそう? 」
「ん? 」
「さっきから、電話か何かの音がするから、真樹からだったらと思うと…」
「あ、そうなんだ…諒が手伝ってくれるなら、大丈夫だと思うけど…」
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