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第6章の46

「好きだよ、麻也さん…」  抱き締められ、耳元で囁かれるだけで、今日の麻也は諒にしがみつきたくなってしまう。 それは、不安からでもあり、諒の心に少しでも疑念を芽生えさせないための作戦でもある…のが悲しい。 それでも麻也はキスしながらも、諒をあおるために自分で自分のシャツのボタンを外していく… 「麻也さん、今日の麻也さんは何て大胆なの…」 (ふふっ、引っかかったな…) 「だって、初夜だから…」 「だったら俺、毎晩初夜にするっ! 」 鼻血が出そうなのか、諒はその形のいい鼻を一生懸命押さえていた…?  誘った結果とはいえ…諒はこの前以上に激しかったかもしれない。 でも今夜は、もちろん…恋人同士という安心感の上ではあったけれど… …しかし、明日は早くから大事な会議があるから、と、諒は、麻也の中に入るのを我慢した。 諒は自分の自制心の成長を麻也に褒めてもらいたかったようだったが、 麻也は、作戦上、体の負担をおしてでも諒を完璧に満足させたかったのであまりほめる気がおきず… 「…ふぅ…中はガマンすりゅ♪ 麻也さん、ミルクがけで一緒に、イこう♪ 」 「…はにゃ?…ん、ん…み、ミルクがけ? 」 「うん…あとは手取り足取り腰取りでレクチャーね♪… 」 …麻也さん、いい?…俺…重なっちゃうよ…ほーら、ね… 諒の分身と諒の美しい手の刺激が麻也の分身を… 「…あ…あ…あぁ…」 2人同時にのぼりつめ、諒の放つもの、麻也の放つものが混じり合い、2人の下腹を白く汚す…  …すべてが終わって呼吸が整ってきた頃、諒は麻也を抱き寄せ、こんなことを言ってきた。 「俺、絶対にどんなことがあっても麻也さんを守るよ。約束するよ。」 諒はやっぱり何かを察していたのでは…そんな恐れが麻也には芽生えた。 でも、どうにか、 「嬉しい、ありがとう。」 と言って、諒にしがみついたのだが。  しかし…  諒が寝入ってしまっても、麻也は眠ることができなかった。  あんなに諒に愛されたのに、ワインだってたくさん飲んだのに…  それでも麻也の心は、不安を消し去ることはできなかった… (この章終わり)

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