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第7章の5
写真週刊誌に気をつけるようには言われていたが…
まあ、男同士だから大丈夫と思っていたのと、何より思考が停止しているままだったので、
2人でタクシーに乗り込み、諒の部屋を目指した。
言葉もなかった。
社長には痛いところばかり突かれてしまった。
自分は男好きのように言われて、諒はそれをどう思っているのかも麻也は心配だった。
部屋に入ると、とりあえずソファに座ったが…
「どうしようね。」
諒がつぶやくと、麻也は、
「引っ越しは見送っても、俺たちの関係が真面目ってことをアピールし続けるしかないんじゃないかな…
あとは、もっと俺たちが売れて、ドル箱になること…
そうすれば多少のワガママを許しても手放したくなくなるじゃん。」
それを聞いた諒はため息をつき、
「確かにそうだと思うけど、賛成するけど、時間かかるじゃん…
一緒に住めなかったら、また麻也さん不安になるじゃん…」
と言いながら、自分も不安なのだろう。ディープキスを求めてくる。
麻也も真剣にそれに応え、一度離れた唇を、自分からまた求めにいったので、
諒はちょっとだけ機嫌が良くなったようだった。
「その間は俺、ここに通ってくるよ。」
「でも何かと不便じゃん…」
そこに麻也の携帯が鳴った。真樹からだった。
―…兄貴、明日のテレビの収録、4時からだっけ? 須藤さんがつかまらなくってさあ…
何も知らない真樹の元気さに少し癒される。
「うん。4時だよ。」
―ありがとう。兄貴、ちゃんと、メシ食ってる?
「うん。大丈夫…」
(…諒が調達してくれるから…って、言えないけど…)
電話を切り、真樹だった、と心配そうな諒に言ったところで、また携帯が鳴った。
事務所からだった。
恐る恐る出てみると、社長だった。
―あ、麻也? 俺だけど…さっきは感情的になって悪かった。謝るよ。
麻也は何と言っていいかわからず、はあ、と答えるのがやっとだった。
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