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第7章の6

―そこには、諒もいるのか? だったら伝えてほしいんだけど、 明日の2時くらいにまたこっちに来てくれないかな。 この件でじっくり話したいんだ。引っ越しには前向きな方向で。 でも、ひとつ条件があるんだ。 「何でしょうか? 」 ―話すと長くなるから、まあ明日と言うことで。ごめんね、遅くなって…  電話を切ると、心配げな諒に、麻也は内容を伝えた。 「何だろうね、急に態度が変わって…」 「声のトーンが全然違ってたもん。」 「どっちかクビとか? だったら俺の方だろうなあ…」 「諒、それなら俺が辞めるよ。俺、最後に加入したんだし。」 「麻也さんなしじゃバンドが成り立たないよ…何より、こんな話やめよう。 前向きな方向って社長は言ってたんでしょ? 」 「そうだけど…」 すると諒はひとつ伸びをして、 「じゃあ、明日、遅刻しないようにしよう。 麻也さんシャワー入って。俺も入るから。」 「はい? 」 「俺がキレイに洗ってあげるから♪ 」 「そんなこと言ってる場合? 」 「だって俺たち新婚なんだよ~…」 しょげる諒の頬に、麻也は優しくキスすると、 「じゃあ狭いけど、一緒に入ろっか? 」 「やったあ!! 」 諒のたくまし過ぎない腕に抱えられるようにして、麻也はバスルームへ…  でもその後は、キスしただけで2人とも、またハダカで爆睡してしまったのだが…

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