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第7章の24

「歌詞は少し考えてはいたんだけどね… こんなことならノート持って来…てないか。やっぱり。 バタバタしてたから忘れちゃったよ。」 と言いながら、「愛」の横に「恋愛」と付け加えてみた。 「よくみんな広い意味での愛をうたいますとかいうけど、 別に恋愛にしぼりこんでも良くない? 俺たちは。 今、こんな気持ちだから。こんな気持ち、人生ではもう二度と持てないかもしれないよ。」 「ほんとにそうだねえ。もう、麻也さんたら…」 そう答えた諒の瞳はキラキラと輝き始め、 「ああ、今、何か降りてきた気がする。」 と、冗談めかして両手で受け止めるしぐさをする。 そして自分の紙に何ごとか書き始める。 麻也も別の紙に、今の気持ちを書いてみる。 幸せいっぱい、でもそれだけに、不安、この幸せがいつまで続くか不安。 弟の大反対。だけどそれだけに いっそう燃える… 「んー、この『いっそう燃える』っていいねえ…」 「やだ、見てたの? 」 「ふーん、でもそれって麻也さんの本音だよね。」 「やだな、もー…」 麻也は耳まで赤くなる。 「あ、これ借りてもいい? 何だかすごく気に入っちゃった。 どうせ同じテーマでも、俺たちそれぞれ書き方が違うからいいでしょ? 」 「もー、諒ったらぁ…」 と、そこで軽く咳払いがした。 「あ…須藤さんいたんだ…」 「アツアツなところすみませんが、そろそろ食事にしませんか? 」 照れ隠しに諒は、 「あー、じゃ悪いけど、お弁当買ってきてもらえますか? 何かノって来ちゃった。」  そして、テーマとわずかばかりの歌詞の原案を残してスタジオを出ると、 次はラジオの収録だった。

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