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第7章の27

 30分ほど遅刻になってしまい、平謝りで2人は部屋に入った。 「スミマセン、曲作ってたら朝になってしまって…」 「あー、いいですよ。まだこっちも形になってないし…」 と、アシスタント2人に掃除をさせている三田は、自らは食器のチェックをしている。 「あ、でも、今夜、お二人のとこから当面のものとか楽器とかを運んでもらおうって須藤さん言ってましたけど、聞いてます? 」 「あ、いえ…」 「あさって、その次がもう撮影だから、できれば今夜から住んでもらおうって作業してます。 「え…」 そうこうしているうちに、麻也用の機材が運ばれてきた。 「…どっちの部屋に入れますか? 」 「諒、どうしよう? 」 「じゃあ、左側の部屋にお願いします。」 機材全然選ばせてもらえないんだね… お任せ、って寿司屋じゃねーんだから… と2人がひそひそ言っていると、須藤が入ってきて、 「作曲の演奏シーンは少しだけにしてもらいますので、今運んできた機材で取りあえずやってください。」 「須藤さん、それどういうこと? 」 「作詞作曲は企業秘密ですから、ワンフレーズ程度の披露が妥当かと。」 「それなのに、諒のキーボードまで揃えたの? 」 「まあ、これからここが本当の新居になるわけですし。 あ、でも、機材や楽器は本当にとりあえずのものなので、 撮影後、使ってみて気に入らなかったら言ってください。 すぐに取り替えますから。」 そこではっとして麻也は尋ねた。 「今日の仕事終わりは何時? 俺たち本当に今夜からここに住むの? 」

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