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第7章の28
「今日は深夜のラジオがあるんですが、それはリズム隊に任せて、
あなたたちには8時終わりで引っ越しをしてもらいます。
っていっても、取材で不自然に見えない程度の身の回り品と楽器ぐらいで。
その他の荷物はおいおいということで。
で、リアリティを出すために、もう今夜から住んじゃってください。」
と言うと須藤は、
「ベッドももう入ってますよ。」
とも言うので、2人はそっと寝室を見に行った。
広めの寝室には、確かにダークブラウンのカバーのダブルベッドが置かれ、
ローズウッドのサイドテーブルと本棚も置かれていた。
「あ、おしゃれでいい感じ。」
「だけど、まさかここまでカメラは入れないでしょ? 」
と麻也が何気なく言うと、諒はすまして、
「リアリティのためには入れた方がいいんじゃないの? 」
何のためのリアリティ? と麻也は少し苦々しく思ったが、口には出せなかった。
その後はメンバー揃ってラジオの公開放送でファンの視線を浴び、
その後はイベントでやる5曲のリハーサルだったが…
リハ中はともかく、休憩になると、真樹は麻也と諒を避けていた。
真樹が席を外すと直人が、
「今朝、真樹は社長んとこへ直訴しに行ったから…
俺も付き合ったんだ。」
と、教えてくれた。
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