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第7章の30

「でも、本当に付き合ってるんでしょ?  まさかこれまで演出じゃあないよね? 」 「それはもちろん。」 「だったら、頑張るしかないよね。周囲に理解されるまで。」 「うん。」 「…麻也さん、諒、俺は今ので納得しましたので、2人を応援します。 ただ、真樹には、直接説得とかはできないけど。それはごめんね。 でも、俺の姿勢を見て、真樹にも考えてもらえるようにはしたいと思ってる。」 「よろしくお願いします! 」 2人はただただ感謝するばかりだった。 そこに真樹が戻ってきたので、話はそれきりになった。  その後も真樹は仕事関係の話以外はしようとしなかったけれど。 「それじゃあ、引っ越し頑張って! 」  別れ際、直人の言葉に真樹がびっくりしているのを尻目に、 麻也と諒は、スタッフが用意してくれた別々のワゴン車に飛び乗り、 それぞれの寮に向かった。 「これじゃまるで夜逃げだよ…」  と言いながらも、今夜から新居で諒と暮らせることにワクワクしながら、 麻也は身の回りの物をまとめていく… 「それじゃああとはよろしくお願いしまーす。」  と、新居から手伝いのスタッフが引き上げていったのは、結局、真夜中過ぎだった…

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