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第18章の39(←麻也王子の元カレは大物?)
諒は動けなくなった。頭の中が真っ白になった…
ただ、その男を見つめるばかりだった。
これが、この男が…麻也の初めての男だというのだろうか…
芸能界のドンの一人と言われるだけあって堂々とした男…
だが、彼も少しうつむき、言葉に困っている様子なのは、
やっぱり彼は麻也にとって過去の男であり、
諒は現在の男だからということなのだろうか。
でも、それならばなぜわざわざ話しかけてきたのだろうか…
諒が何も言えずにいるうちに、
「…MA-YAはセックスの時、クスリ使うでしょ? 」
「…」
「じゃあ、僕がもうトシだからとか、僕とのセックスがマンネリだからとかで使うのかなあ?
もちろん違法なものじゃないから安心してね。次から僕の方で調節しておくよ。」
諒は混乱するばかりだった。
この男は今現在も麻也とつながりがあるというのだろうか。
そしてこの男は諒の瞳をのぞき込むと、さらに諒を追い込んだ。
「困ったことがあったら、いつでもバンドでウチの事務所においで。
今の事務所では、東京ドームは仕切れないと思うよ。」
事務所のことを馬鹿にされたのも腹が立ったが、何しろ、麻也の真実の方が先だ。
麻也の、ローベルがらみの仕事には、この男との情事の時間もあったのだろうか。
(だから麻也さんは…別れを言い出したのか…)
諒は目の前が真っ暗になった。
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