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第8章の7
スタッフに守られ、小さな楽屋に荷物を置き、ひと息いれてから、4人の登場になる。
サングラスをかけた諒と麻也がいち早く登場すると、
ガラスの向こうの大勢のファンは大騒ぎになる。
そこで、2人は約束通り、立ったまま、ずん、と左手を上げ、
お揃いのシルバーのリングを見せびらかす。
ガラスの向こうはますます大騒ぎになった。
真樹と直人が揃ったところで、番組が始まる。
早速、DJが笑いながら突っ込む。
<何ですか、そのパフォーマンスは。もしかしてえ、
昨日のテレビと関係があるのかなあ? >
<はい。>
ガラスの向こうのファンたちが、また騒ぎ始めているのが見える。
<婚約指輪の披露みたいですね。>
2人して、
<それを狙ってます。>
と言って、諒の方はおどけて外のファンに向けて両手を振る。
ファンたちも、オーバーヒートしている。
だが、指輪に関しても、麻也と諒の同棲に関しても、それ以上は突っ込まれなかった。
<ではこの辺で、まずは1曲行きましょうか。これは麻也さんの曲なんですね。>
<はい、そうです。>
<では、ディスティニー・アンダーグラウンドで「アディクティッド」。>
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